2014-10-25 白昼夢 ゆるされた 光の涯をみつめながら 流木の罠の中に疾んでいるくらげは 今日も漂う重油に喘ぎあえぎ 浮標にさみしく語つている 丘の白百合の聖歌に送られて 船出のテープにもひらひらゆれる ――善意を信じるかなしみについてああ そんな ひとときも あかるく ぐんぐん伸びてゆく 雲の峰に憑かれたようにくらげの幻想のように紺碧の水平線へ 見えない世界の額縁をかついでゆく にんげんよ にんげんよ人見勇詩集『襤褸聖母』より