覚書

知られていない人や作品を紹介したいです。

谷崎精二「文藝時評」『早稲田文學』昭和10・11・1

 衣卷省三氏の『黄昏學校』には獨身な女教師の生活が描き出されてゐる。暢達な筆致だが、彼の女の生活の上面を撫でゝゐるだけで、作者の神經は作品から遊離してゐる感じがする。現實への切り込み方が不足である。