覚書

知られていない人や作品を紹介したいです。

北園克衛「小説する態度の進化」(年刊「小説」1932厚生閣書店版 「誌と詩論」別冊 昭和7・1・18)

 この完璧な作品に對して(注「薄手のバラ」)、僕の希望し得ることは小説はその讀者に對しても世俗の機構、感情に興味を呼び醒すことが最高の目的ではないことであると言ふことを、強調したい。あるひはこの不服こそ僕の弱點でもあるだらうことを反省するより他はないのである。